カメさん日報です。
島根の企業の紹介をもう何社かしたいと思います。快進撃を続ける島根電工です。
島根電工は、今では、島根県でも納税額が5本の指に入るほども優良企業ですが、かつては非常に厳しい時期もありました。建設会社の公共投資が激減し、民間の建て替え需要も大幅に減る状況で厳しい状況になっていたのはご存知の通りです。。その中で、島根電工は、公共事業が激減する中で民間にシフトし、しかも大型のビルの電気工事の請負いから、なんと、家のお困りごと解決の家庭への修繕に大幅シフトして売上を上げてきました。
数千万円から数億万円の電気工事をやっていた会社が、7割以上が5万円以下の家の修繕を行うのですから相当の変革が必要です。もちろん、当時、常務だった荒木社長の案に社内は大反対でした。特に、数千万の売上を5万円以下にするのですから、「何件やれば、同じ売上になるんだ!」といった抵抗されたそうです。それでも、根気よく社内を説得しましたがなかなか進みません。5万円より数千万円を取ってきた人間が偉い!といった風潮があるのも当然理解できます。特に、長年、建設業でやられてきた方の職人意識は、「いまさら、町の電気屋のようなことができるか!」と猛反発だったとそうです。
そこで、口でいくらいっても難しいと感じた荒木社長は、まずは、小規模から家の修繕を行う部隊を立ち上げ、「お助け隊」と名付けてスタートさせました。電球を変えるといった家の中のどんな些細な困りごとにも喜んで、駆けつけて解決する部隊です。
職人の行動観察を徹底的に行いました。すると、工事に行った人間は、お客様か ら見積もりのお話や依頼以外の修繕の話もいただきますが、その場で答えることができません。営業から連絡させますといった対応で、2度手間3度手間になっています。そこで、その場で価格が見積もりができるソフトを開発しハンディー端末を作ります。このヒントになったのは、自販機のオペレーションを行う方が何かあるとハンディー端末で確認し直ぐに対応している姿を街で見かけたことがきっかけです。今まで工事と営業といった役割があったのを両方できるようにし、しかもその場で、直ぐに見積もりの対応できるようにしました。荒木社長は、このことを「行動のコストダウン」といい、原材料その他のコストダウンは限界にきているので行動をいかに見直すかが大切だといいます。
さらに、TVコマーシャルで「お助け隊」のCMを社員出演で流したり、あの手この手で改革を進めます。こうした努力があって5年間で売上比率が約半分になるまでの大改革を短期間で実現しました。粗利5割は、公共工事よりも高く確かに小口ですが、チリも積もれば・・・ではありませんが、大きく利益貢献するようになりました。私も建設関連のお客様がいますので、職人文化と一言にいいますが、変革が難しいのは理解できます。
組織変革における経営リーダーシップがいかに、重要かの好事例だと思います。
島根電工は、日本でいちばん大切にしたい会社3に掲載されています。
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