カメさん日報です。
昨夜、4月4日にスタートした新宿バスタから高速バスで、長野県伊那市に移動し、本日4月5日、午前中、伊那食品工業 塚越副社長に、りそな総研との共同の取り組みのご挨拶に訪問し、午後からは、日本でいちばん大切にしたい会社大賞、実行委員長賞を受賞した社会福祉法人 アンサンブル会(以下アンサンブル)の小椋理事長にお会いしました。
平成28年度予算(一般会計総額96兆7218億円)は3月29日の参院本会議で、わが党などの賛成多数で可決、成立しました。28年度予算はわが国が直面する重要課題に対応しながら、引き続き経済再生と財政健全化を両立させていくための予算です。安倍政権は、この新年度予算の実行によって、これまでの経済政策を一層強化して民需主導の経済好循環を確固たるものにするとともに、一億総活躍社会の実現や地方創生の本格展開を目指します。 (自民党 LIB DEAMより)
一瞬関係のないこの2つのことを書いたのには訳があります。予算は、血税だと言葉だけで本当に有効に使われていないと感じるからです。
障害者自立支援法が施行され、予算が使われ、様々な取り組みがされてきていますが、現状は何も変わらない。なぜなら、「親無き後、障がい者が自立していける」といった姿が想像できないからです。昨日も、悲しいニュースが流れています。
山梨県警は4日、同県韮崎市の自宅で、小学6年の長男(11)の首を絞めて殺害したとして、殺人の疑いで、母親で同市富士見ケ丘1丁目、パート従業員池田千夏容疑者(39)を逮捕した。逮捕容疑は、4月4日ごろ、自宅で長男雄生君の首を絞めて殺害した疑い。 県警捜査1課によると、池田容疑者は「子どもに発達障害があり、育児に悩んでいた。ロープのようなもので首を絞めた」と供述し、容疑を認めている。60代の母親と中学生の長女(13)と4人暮らしで、事件当時、自宅にいたのは長男と2人だったといい、「子どもを殺した」と自ら110番した。(live door newsより)
もちろん、実の子供を殺害した母親の罪は重いが、障がいを持った子供を持つ立場になれば、将来の不安、日々のストレスは相当なものだったのだと思います。
こうした問題を他人事と片付けるわけことができないのは、通常な神経を持った人だと思います。
以前、コッコファームワイナリー(障がい者がワインをつくる歴史ある施設)に、50年間で1人の政治家しか来ていない現状を知り、現状が分からない中、適切な政策ができるハズが無い・・・とカメさん日報に書きました。目先の選挙のことばかりで、小手先、その場しのぎ、絆創膏を貼るだけの政策で、問題解決できるわけがないと思います。
社会福祉法人アンサンブル会の小椋理事長は、「障がい者の自立を、まずは、定義すべきだ!」と言われました。
まず、障がい者が自立するということは、どういう状態であるかを、しっかり語ることができる政治家がどの位、いるのかと感じます。障がい者の自立の定義も曖昧なまま、どういう取り組みが有効かなど、わかるハズがありません。「自立」の語彙を探ると,「自立とは,他に属さないで自分の力で独立すること.ひとり立ち(旺文社 標準 国語辞典 新版)」です。つまり、「自立」とは生活の中で全ての事を自分一人の力で行うことができることであると解釈できます。しかし、この内容を直接的に解釈すれば、障がい者や高齢者では、自立生活をおくることは非常に難しくなります。だとすれば、福祉領域における「自立」とは、生活の中で必ずしも全ての事を自分一人の力で行うことができるか否かは問題ではないとする立場がとられています。それでは、何をもって「自立」していると言えるのでしょうか?障がい者における「自立した生活」とは、介護等の支援を受けながらも主体的、選択的に生きることができる状態だと思います。
「親無き後、障がい者が自立していける」
アンサンブルで働く障がい者の方は、アンサンブルの施設で住み、食事をして、給料+補助金を加えれば、月々、5万円の自由に使えるお金があります。これが、小椋理事長が実現した、親無き後、障がい者が自立した状態なのです。
具体的には、一般の住宅よりも、おしゃれで、快適性が高いグループホームを15棟を作っています。
私が、小椋理事長に、「なぜ、こんなに、キレイなグループホームを作るのか?」と尋ねると、
「障がいを持つ本人が、満足すること、さらに、障がいを持つ子の親が安心することが重要」といった言われました。
さらに、補足として、「古びた県営住宅を少し治したような施設に、自分の子供が入るとしたら、不安で死にきれないのではないでしょうか」
と付け加えられました。確かにそうです。こうした健常者が建てる新築の住まい同様、あるいは、それ以上に、おしゃれでキレイなところに一生に入ることができることが実感できれば、障がいを持つお子さんがいるご両親も希望が持てるからです。
靖国神社の桜のことを一昨日のカメさん日報で書きましたが、長野県伊那市の澄み切った青空の下、社会福祉法人アンサンブル会の敷地に咲いた満開の桜は、この会が行ってきた希望が重なって、いっそう輝いて見えます。
アンサンブルで働く職員の給料も平均以上です。
小椋理事長は、行政のお金の使い方に疑問を持ち、長野県伊那市にて、障がい者が自立できるモデルを作りたいと考えています。
そして、社会福祉法人も企業経営と同じで、補助金頼りではなく、補助金を大切に活用しながらも、知恵を出して高いパフォーマンスと、働く人の満足を生み出すことを実現しているのです。成人になっても、寝たきりで寝返りもできないまま、食事も下のお世話も職員がしなければならない重度の障がい者もアンサンブルで生活しています。
小椋理事長は、弱者が生活をしなければならない場所に、もっと、心優しく知恵がある優秀な人財が集まり、問題解決をしていく社会にならないと、今後、経済が厳しくなると、福祉に使われる財源も限られており、縮小せざるを得ない状況になったときに、回らないと言われました。
確かのその通りです。税金も、アンサンブルのような使い方であれば、納得がいきます。商品券をばら撒いたり・・・高齢者に一時金を出すといった訳の分からない使い方に怒りを持つだけです。
小椋理事長は、現在66歳。まだまだ、10年20年活躍できると思いますが、後に続く、小椋理事長のような優秀な経営者が次々と出てきて、まさに、障がい者も含めた、一億総活躍社会が実現できればと思います。そのために、アンサンブルのような取り組みを、今後も、筆と口で伝えていきたいと思います。
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