カメさん日報です。
将棋の藤井聡太四段が、プロ入りしてから29連勝の大記録を打ち立て、その後、連勝は止まったものの、また、2連勝になりました。32戦31勝と驚異的な勝率を残しています。これは、羽生善治三冠王が出てきた時以上です。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1853747.html
本日、弊社の社員からに、いろいろ営業の質問を受けましたので、藤井聡太四段を話題に、将棋の秘訣を話しました。
「将棋は、考えるゲームだと思われているが、実が、いかに考えないか?のゲームである」
最大合法手局面(一番指しての多い局面)は593通りです。そして、平均115手で勝負がつきます。
もちろん、選択肢が多い局面と少ない局面があります。チェスが一番少なく、次に将棋、一番多いのが囲碁ですが、最近は、囲碁でも、コンピュータが人間を破る事態になっています。これは、計算スピードが速くなった。いわゆるコンピュータの処理能力が高くなったからです。ところが人間ですから、急激に処理速度が上がることはありません。だらかこそ、最初から、読まなくてもいい手をいかに省略できるかが大切なのです。
さて、他の今回、質問があった営業活動で考えてみましょう。
営業活動で大切なことは、「行かなくてもいい会社には行かない」ことです。
受注に至るには必ず、条件が揃う必要があります。
1.ニーズ、ウォンツが明確 2.予算がある 3.意思決定者が窓口 4.意思決定のプロセスが分かっている 等
こうした条件が揃わない会社に、足しげく通うのはナンセンスであることは、少し考えればわかることです。
しかし、この前提を忘れて、担当者からいろいろ話があると足しげく通ったり、情報提供を熱心に行うことがあります。しかし、多くの場合、徒労に終わることは少し営業経験がある人は経験からわかると思います。
つまり、将棋で言えば、読まなくてもいい手を一生懸命に、時間をかけて読んでいるといった状態です。これでアウトプットが出る訳がありません。
戦略で考えてみます。
競争戦略で有名なハーバード大学教授マイケルポーターは、
「戦略とは何をやらないかを決めることである」
といった名言を残しました。
「やればいいこと」「できたらいいこと」の選択肢は常に無数にあります。しかし、経営資源や時間は限られています。
そこで、経営者は、星の数ほどある選択肢のうちいくつかを残して、残りの可能性を検討しない、さらに、やらないことが重要であるとといった
意味合いです。
将棋は、決まったルールと決まった経営資源、さらに、1対1といった前提の中での話です。しかし、営業活動は、数多くがお客様になる可能性の中で、時間を使い方に迷うことになります。企業の戦略となるとさらに複雑です。国、業界、その他、異なる状況が無数にあります。また、業界にもよりますが、一部の寡占化した業界以外は、数多くの企業が競争相手です。さらに、将棋や戦国時代のような1対1の直接対決ではなく、お客様から選ばれる存在になるという間接的な対決になります。つまり、将棋とは違った性質の複雑性が高いのが営業活動と企業経営の戦略なのです。
右肩下がりの中の環境下においては、「読まないこと、行かない会社、やらない戦略」といった考え方が、ますます重要になると思います。