カメさん日報です。
イマージョンを起業する際、一緒にチームを組む、コンサルタントは3つのタイプを集めました。
1.その道の専門家・・日本でも指折りの知識経験を持っている
2.行動科学、組織変革の経験がある
3.教育研修トレーナーとして、お客様からリピートがいただける
例えば、M&A~組織コンサルティングを行う弊社シニアコンサルタント亀井氏は、大手損害保険会社で、長年、多額の運用や、ベンチャーキャピタルの経営を実際に行ってきただけあって、「さすがに、経験の消化をしている人は違う!」、“わかる”のレベルに達しているといったことを、一緒に仕事をすると、改めて実感します。
数日前に、H.ペトリー(H.Petrie)は、「わかる」というための3つの条件を書きました。
A.その人は、命題Xを経験を通して信じるに至る
B.命題Xは真である
C.その人は、命題Xが真であることを正当付けるにふさわしい理由を持つ
私も、財務の専門家が入れないときに、ピンチヒッターとして研修を担当することがありますが、できれば避けたいのが本音です。BSとPL位の基本をなぞること位はできますが、その深い意味合いや押さえどころの理解に関しては幼稚園レベルだからです。財務の入門書をなぞるレベルであり、全く知らない方に、BSやPLの構造を伝えることができるレベルでは、決して付加価値が高いとは言えません。
しかし、亀井氏だけでなく、は、経験をはじめとするペリーの3つの条件をしっかり満たしているので付加価値が高いのだと思います。
亀井氏は、、実際の企業評価での評価額のブレが何故、生じるのか?を企業評価に関する長年の膨大な経験に基づき発言されます。その際には、本に書いてある企業評価の方法論だけでなく、実際に、発表されている企業データだけでなく、経営者の話の裏にある心理、データでは見えにくい社員のモチベーションといった組織状況の数多くのケースから“わかった”ことで、企業評価の真実やそれを正当付けるにふさわしい理由を話してくれます。
また、シニアコンサルタント富永氏は、アドバイザーとして上場企業も含めた数多くのM&Aに関わった事例から、投資採算性について財務の教科書に書いてある各種評価方法が、少し数字をいじくるだけでどのようにもなり、専門家同士の騙し合いである現実を数多く見ています。
弊社の顧問を坂本光司教授は、40年間延べ7500社の中小企業の研究から、その研究に基づく実態、例えば、税金を逃れるために、あえて、大企業にしない中小企業の経営者など、経営者に意思決定行動の心理まで踏み込んでお話になります。
よくよく考えてみれば、世の中は、
1.おぼえたレベル(本の入門書に書いてあるレベル)
2.間違ったままのレベル(古い研究結果か限られた経験則)
の情報が蔓延していることに気づかされます。
最近、イマージョンプログラムを作成した際、集中的に、心理学の本を読んでいますが、
・モチベーションを上げるためには、人をほめることが効果的である!
といったことは、どうでしょうか?
の古い研究E. B. ハーロック(Elizabeth B. Hurlock)の調査がわかりやすいために、定着しています。
これは、間違いとは言えませんが、ある条件下の場合です。ほめたことによって返って、モチベーションを下げるといった実験や調査結果もあり、必ずしもそうとは言えないです。
発表された論文 " An Evaluation of Certain Incentives used in School Work " (The Journal of Educational Psychology, 16(3), 1925)によると、子供たちを本人には知らせずに四つの班に分け、共通のテストをしては、班ごとに決められた評価を与える、と繰り返したところ...。
「点数に関わらず、皆の前で褒められ続けた」班の平均点数は、最初から最後まで上がり続けた。
「点数に関わらず、皆の前で叱られ続けた」班の平均点数は、最初は上がったが、その後は下がった。
「同室で、点数に関わらず褒められも叱られもしなかった」班は、最初少し上がり、その後停滞した。
「別室で、点数に関わらず褒められも叱られもしなかった」班の平均点数は、まったく上がらなかった。
よって、「褒め(続け)るのが、テストの点数を上げさせるのに最も効果的」と結論付けられた。
しかし、大手研修会社のトップが書いた本を見ても、人をほめることレベルだと思います。つまり、非常に感覚的であり、限られた自分の経験から断定していることがわかります。このことは他山の石ではなく、私そのものも大いに反省するところです。
手前みそですが、坂本先生、亀井氏、富永氏のレベルになって本当の付加価値を提供していると言えるのだと思います。もちろん、受講生のレベルが低ければ・・といった反論が聞こえそうですが、もう、そのレベルのことは、ネットでの情報が多く流通し、Eーラーニングその他で相対的に価値が低くなっています。
さらに、入門書を何度読んでも、経験の消化とそれに関する問い直しを鼻血が出るやらないと、真に近づけないことは容易に想像できます。
競合が多くなって研修会社も大変だ!と聞かれますが、イマージョンも含めて、多くの研修会社は、教育サービスがモノづくりに比べて評価が難しいといった性質に支えられている部分が多分にあるのが現実です。
深い正しい理解に裏付けたものを提供する会社は必ずお客様から選ばれると思います。
高い付加価値をお客様に提供するために、イマージョンも2日前に書いた5つの自信を高い会社になるために、まだまだやることはたくさんあるし、自分自身も勉強が足らないと改めて思いました。