カメさん日報

１人の素敵な男性、女性に会いたいから、１００人の男性、女性に会う

カメさん日報です。

一昨日は、私を含め４月生まれの会社の誕生日会で、青森から出てきた起業家ニュープラネット合同会社　代表社員　川野　真理子　全国うまいもの交流サロン　なみへい　で、役員の青木さ仁美さん、新人の原田佳奈さんと私の３人をみんなで祝っていただきました。欲しかった、あこがれのジョーダンのバスケットシューズのプレゼントもいただきました。私的なことをブログに書くことは、めったにありませんが、今日は、お礼を込めて書きます。

ＮＡＭＩＨＥＩとは

なみへいは、｢東京から故郷おこし｣をコンセプトに地域活性化を目的に作ったご当地飲食店です。23人の出資者に温かいお金を出して頂き、 2008年７月、地方の農業・漁業に少しでも現金を！　という小さな想いからスタートしたリーダーズバーです。オープン当時は、リーダーの交流サロンとしてのコンセプトも入れていましたが、2011年からは、リーダーにこだわらず、｢東京から故郷おこし｣に集中して、全国うまいもの交流サロンとしてお客様に日本中のおいしいもの、珍しいもの、郷土料理をご紹介しています。毎夜、日本中から頑張るキーマンたちが立ち寄ってくださり、いろいろな地域の人たちとの交流が生まれています。同郷者がいると名刺交換を勧め、また地域のサンプルを持ち込んでご当地自慢をしたい人にはＰＲの場を与え、様々な情報交換の場になっています。東京在住の故郷出身者が故郷を想い、同郷の人とつながる場にしたい。故郷をもたない人にとっても、第２の故郷ができる出会いのきっかけにしたい。調理も出来て、飲食も出来て、交流も出来て、地方の物販も出来る場に！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なみへいホームページより

また、昨夜は大阪心斎橋で、京都での大谷由里子さんとコラボセミナーを行った際、お知り合いになったNTTのお勤めで、本を書かれている小栗健吾さんと、感動のフレンチレストラン、黒岩功さんのル・クロで食事をしようと約束していましたが、お友達を７人も集まって盛り上がりましたが、ル・クロの黒岩さんが用意いただいた特別料理と、何も知らせていませんが、小栗さん他、誕生日も祝っていただき、嬉しいやら・・申し訳ないやら・・出会いに感謝です。

坂本先生は、「一人の素敵な男性、女性に会いたいなら、一〇〇人の男性、女性に会え！」と普段から言われ、いつもオープンドアで、初めての方でも気さくに面談されること長年、実行してきています。私には、坂本先生程、来客がある訳がありませんが、この教えを聞いてから、飛び込み営業であっても、特別な用事がない限り会うようにしています。今日も、坂本先生の法則を実践した結果、素敵な男性、女性とご縁ができました。

小栗さんが連れてきていただいた仲間は、本当に気のいい方ばかりで、二時間程の短い時間でしたが、心地がいい時間でした。

人間学の安岡正篤師が紹介した言葉に縁尋機妙（えんじんきみょう）多逢聖因（たほうしょういん） があります。（宝苑珠林より）

《縁尋機妙》
良い縁は次から次へと良い縁を結んでくれます縁とは誠に不思議なもの、計らざるものです

《多逢聖因》
結果には必ず原因があります。いい人との出逢い、いい書物との出会い、いい師との出会い、気のいい場所との出会い、それら全てが良い結果を創り出す。
悪い人と会っていれば悪い人たちとの縁ができてしまいます。いい人と会っていればいい人たちと縁が結ばれます。

肯定的で、明るくて前向きのプラスの言葉ばかりを使っている人には、前向きでプラスの人ばかりが集まってきます。否定的で、暗くて批判的なマイナスな言葉ばかりを使っている人には批判的でマイナスな人ばかりが集まります。

つまり、良縁は良縁を引き寄せるということです。これは、心理学、行動科学では、クロスオーバーと言われている、いいことも悪いことも伝染すると同じだと思います。

誕生日の節目で、気持ちを新たにして、私自身が、良縁をいただた・・と他の方から言っていただけるように、微力ながら世の中に貢献したいと思います。

 

 

 

与えらることで人は幸せになれる・・

カメさん日報です。

新潟に講演会のために、新幹線に移動している途中に、会社に毎日新聞の論説委員の中村秀明さんから電話が入ったとの伝言がメールで入りました。

第6回日本でいちばん大切にしたい会社大賞に取材に来られた毎日新聞の中村秀明論説委員が、実行委員長賞を受けた「アンサンブル会」（長野県松川町）の小椋年男理事長のことを、本日の毎日新聞のご自身が持っている水説に書いたといった伝言です。

http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/003/070/056000c

以下、中村さんの記事の抜粋は、以下の通りです。

第６回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の表彰式で、ヒントを得た。実行委員長賞を受けた「アンサンブル会」（長野県松川町）の小椋年男理事長の話だ。知的障害がある長女の居場所を求め、障害者の就労支援事業を始めて１５年。現在、３００人に働く場を提供し、そのうち半数が暮らすグループホームを運営している。「生きることは働くことです。障害者も働くことで社会に参加し、いい人生を送ってほしい」と小椋さんは語った。そして、かつての過ちを口にした。地域の小学校に通っていた長女が急に不登校になった。原因がわからずに悩んだ。自らの教育方針を曲げて養護学校に移らせたところ、態度は一変し、喜々として学校生活を送り始めたのだという。
「地域でともに学ばせるのが、幸せなのだと思い込んでいた自分が浅はかだった。与えられるだけで、与え合うことができない環境は娘にはつらかったのです」
できないことへの配慮や助けだけではなく、できることは何なのか、そこに目を向けなくてはいけないのだろうと思った。（論説委員）

さすが、中村さんの感性は素晴らしいと思います。

同じ気持ちを障がい者雇用に取り組む３社から確認しています。

一社は、同じく第6回日本でいちばん大切にしたい会社大賞の審査員特別賞を受賞された日本理化学工業（障がい者雇用率１００％超重度含む）」です。

日本でいちばん大切にしたい会社の代名詞と言われる同社の障がい者雇用を始めるきっかけはあまりにも有名です。

知的障がい者の雇用を始めたのは、今から50年以上前。当時会社の近くにあった養護学校の先生から「生徒の就職をお願いしたい」と頼まれたのがきっかけです。当時の大山社長（現会長）は、世間の多くの人たちと同様、知的障害者に対して偏見を持っていましたから、就職はお断りされました。３度目に来られた時、「もう就職させてくれとは言いませんから、働く体験だけでもさせてくれませんか」と前置きしたうえで、「もし就職しなければ、この子たちは卒業後、施設に入ることになります。そうなれば、一生“働く”ということを知らずに人生を終えることになるのです」と言われました。

そうした中、ある住職に聞くと、人間の究極の幸せは4つあると言われます。

1つ目は、人に愛されること

2つ目は、人に褒められること。

3つ目は、人の役に立つこと。

4つ目は、人に必要とされること。

この話で、障がい者の方たちは、施設で大事に保護されるより、企業で働きたいと思うことを理解したと言います。つまり、人は仕事をして褒められ、人の役に立ち、必要とされるから幸せを感じることができるということです。仲間に必要とされれば、周囲と愛し愛される関係も築くことができるからです。

 

１社目は、東京外苑前にあるダイアログ・イン・ザ・ダーク（http://www.dialoginthedark.com/）です。視覚障がい者が中心に運営されている会社です。

何度も、私自身も行っていますが、この話は、坂本先生から聞きました。

坂本先生が、接客してくれた視覚障がい者と、次のような会話があったと言います。

坂本先生：この会社で働いて、どうなの？

ある視覚障がい者の社員の方：とても幸せです。仕事で辛いこともあります。でも、今までは、ずっと、ありがとうと言い続ける人生でしたが、今は、ありがとうと言われるようになりました。

まさに、人に何かができるといったことは、その人にとって、とても幸せなことなのです。

３社目は、先日、訪れたばかりでカメさん日報でも紹介した株式会社障がい者つくし更生会http://www.csf.ne.jp/~tukusi-2/です。

「障がい者であっても、健常者と同じように納税できることが嬉しい」とお会いした障がいを持つ社員の方はお話しされていました。

次元は全く違いますが、若いとき、よく先輩にごちそうになりました。しかし、ある年齢になると、逆の立場になります。お財布は痛みますが、逆に、「俺も、多少はおごれるようになったのか・・」と嬉しくなっとことを覚えています。

与えられることで幸せになれる・・これは、健常者でも障がい者でも同じだと思います。

残念ながら、障がい者雇用の現状は、中村さんが、今日の毎日新聞の水説に書いた通りです。

失業率が３％台の現代にも、仕事を得たいと願いながらかなわない人がいる。障害を持つ人たちだ。１８〜６４歳の労働年齢人口にあたる障害者は３００万人以上いるが、企業で働くのは約４５万人だ。　「障害者雇用促進法」で、社員５０人以上の企業は、全従業員の２％の障害者雇用を義務づけられている。だが、対象となる８万８０００社のうち達成できているのは、昨年の時点で半数に届かない。

「保育園落ちた・・活躍できないじゃねーか・・一億総活躍社会じゃねーのかよ～」といった内容の匿名のブログ投稿から国会でも議論されました。賛否両論はありますが、厚生労働省も緊急で対策が発表されました。

一億人の中には、障がい者も、もちろん含まれています。ありがとうと言われて幸せに働ける障がい者が一人でも多く増えればと願い、微力ですが坂本先生と同様に、口（講演等）や筆（執筆）で継続的に問題提起をしていきたいと思います。

日本一のゴミ処理施設 株式会社障がい者つくし更生会

カメさん日報です。

福岡での2日目の視察は、博多から車で30分～40分のところにある株式会社障害者つくし更生会でした。同社は、昨年、日本でいちばん大切にしたい会社大賞の審査委員特別賞を受賞した会社で、大野城市と春日市の市民が出すゴミを分別しリサイクルをする仕事をしている会社です。

創業者の一人である小早川顧問は、昨日、ご紹介したふくやの川原俊夫創業者同様、戦争経験があり、シベリアで2年3ヵ月抑留生活を送ったあと日本へ帰還しました。肺を患った小早川さんには雇ってくれる会社がなく、仕方がなく自営業を始めます。そして、生き残った残りの人生を、戦争で死んでいった友人のためにも、人のための仕事をしたい、自分のように就職できない障がい者を作ってはいけない・・と作った会社です。

株式会社障がい者つくし更生会の使命は以下の通りです。

障がいがあっても、物心両面の環境が整えば一人前の仕事ができる。
障がい者と健常者は一体となれる。それを証明し伝えること。

38名の社員の内、3２名が障がい者で重度が7名もいる中、健常者で運営されている以上の生産性を上げています。グレーな業者も多い業界において、本当に細かい分別を行い環境に配慮した廃棄をしており、日本一だと思います。

その生産性と仕事ぶり、さらに、小早川顧問らが当時の市長に掛け合って実現した健常者と同じ賃金がもらえる条件整備などがあいまって、障がい者の作業所といわれるところの全国平均の月の賃金が約1万5千円弱といった中、平均30万円、年収360万円を実現しているのは素晴らしいと思います。
小早川さんだけでなく、当時、日本で初めてこの条件で仕事を委託した市長も素晴らしいと思います。

那波専務が話された内容の一部をお伝えします。

手帳を持っているのは、この点は、できない。足らないことを国が証明しています。そして、そうした方を雇用して、なぜ、できないか？をいう人がいます。そうしたことは、明らかにおかしいと思いますが、まだまだあります。

・社会から必要とされる会社。

・あって良かったと言われる会社

・お客様から信用・信頼される会社

・任せれば安心といわれる会社

・この会社を選びたいと言われる会社

・働く人が就職して良かったと思える会社

・働く人が成長できたと感じる会社

・後輩に残したいと思われる会社

・廃棄物のことで日本でトップの会社

・福祉的で日本でトップの会社

そして、

「障がい者がいるということだけで、お仕事お契約の継続はありません。また、私たちもお涙ちょうだい的な会社には絶対にしたくない」

「自分たちが、やっていることを認めてもらうこと、いかに行政の要求や期待に応えるかが重要で、障がい者が多い少ないは関係がない」

と那波さんは言われました。

実際に、障がい者が、８割以上で、事故も労災もない、高い生産性を誇る職場を実現しています。

那波さんは、なぜ、できるか？を少しだけ紹介されました。

１．コストがかからない運営をしている

売上－コスト＝利益
コスト要因
① お金
② 時間の要因（機会追求・現状意義・問題解決）
③ 労力
④ 精神的な要因

トラブルに関わった労力が無くなると、コストが下がり利益は出ます。結局は、健常者の職場と同じで、人間関係が良く、お互いが協力していればコストは必ず下がるそうです。しかし、簡単にいっても実際は時間がかかります。実際、障がいの種類にもよりますがが、当たり前のことがわかってもらうのに時間が掛かったそうです。そして、那波さんも、最初は、うまくいきませんでした。しかし、そのことを「自分自身に伝える力量が無かったからだ」と言われたことは印象に残っています。那波さんは、福祉の勉強をしてきたわけではありませんが、障がい者の人と、毎日毎日向き合うことで、少しづつうまくやれるようになっていきました。

そして、障がい者同士も、関係ができているとお互いに助け合ったりします。そして、精神障がいであっても、徐々に話せるようになっていきます。実際、各現場で、説明してくれた人は、全て、引きこもりであったり、知的、精神、様々な障がいを持っていた方ばかりでした。

そして、隠すことなく、「私は、○○の障害を持っています。昔の職場は大変でしたが、ここに来て、良くなりました。こうして人前でもしゃべることができるようになりました」と話されました。写真も大丈夫だとのことでしたので、掲載します。

最近、多くの見学者が国内だけでなく、海外からも来るようになってきたそうです。見学される方は、福祉の方、障がい者施設の方、学者、その他様々だそうです。

そして、見学者から聞かれるのは、以下のような質問です。

「なぜ、一つの職場に、健常者が一人もいないのに運営できるのか？」

と不思議がられるそうです。

その度に、那波さんは、

「なぜ、できないと思うのか？」　

と逆に、問い直すそうです。

「なぜ、様々な障害を持つ人が違うところにいるのか？」

「このチームにとって、一番パフォーマンスが上がるように、人を組み合わせを考えるだけです。」

と応えるそうです。

まさに、障がい者が運営すると、生産性が上がらない・・・大変だといったことは、同社の職場を見て回ると、思い込みであると再確認します。

２．障がい者の方は、手を抜かず、コツコツ仕事をする

もう一つの健常者が運営する施設以上に生産性が高い理由は、障がい者は、一つの仕事をコツコツを飽きずにやる能力において、健常者よりも勝っているからです。そのために、点検作業、ゴミの分別など、手を抜かずにしっかり行うために、逆に、生産性が高いのです。

那波さんは、「医者では、精神障がいを直すことはできません。薬で症状を抑えるだけです。仕事を通して、コミュニケーションを取るようにしているだけで特別なことはしておらず、毎日毎日その人と向き合っているだけです。しかし、このことが重要だと思う」といわれました。

３月１４日の学会ＴＶに出演予定のラグーナ出版の森越会長は、元精神科医ですが、病院では、精神障がいを治すことができないと、会社を立ち上げました。

小早川さんの意思を引き継いで、福祉の経験がない那波さんが、コツコツやってきたことが、健常者が運営するゴミ処理施設よりも、生産性が高くキレイで、事故もない、且つ、ほとんどが障がい者で運営される奇跡の職場なのです。

一緒に視察に行ったＮＥＣネッツエスアイの社員の皆さんの感想の一部は、以下の通りです。

障がい者に偏見があった。
産業廃棄物処理といったどちらかといえば、誰もやりたくない仕事に誇りを持ってやっていた。
障がい者と健常者の区別がつかなかった。
みんな明るく楽しそうに働いていた。
ゴミの分別をしないといけないと思った。
38人中32人が障がい者である会社で、これほど運営がしっかりしていることに驚いた。
現場がキレイでビックリした。　

などの感想が聞かれ、中には、振り返りで涙を流す方もいました。

今後も、私も、坂本先生の意志を引き継いで、できるだけ、こうした素晴らしい会社を発掘して、多くの人に紹介したいと思います。今回で、株式会社障がい者つくし更生会には、５回目の訪問ですが、何度、行っても、新しい発見や進化があります。また、もっと頑張らなくてはならないと、元気をもらって横浜に帰ってきました。

株式会社障がい者つくし更生会の詳細は、日本でいちばん大切にしたい会社４に、書かれています。。

 

マー君の活躍に見る「やり抜く力」

カメさん日報です。

 フィリーズ６－５ヤンキース（６日＝日本時間７日、クリアウオーター）米大リーグ、ヤンキースの田中将大投手（２７）がフィリーズ戦でオープン戦に初登板し、２回を投げて２安打１四球で無失点だった。昨年１０月に受けた右肘の骨片除去手術後、初めての試合登板で不安を払拭。ジョー・ジラルディ監督（５１）は「１番手の先発投手だ」と話し、事実上、４月４日（同５日）のアストロズ戦での２年連続開幕投手に“指名”した。(サンスポ記事)

日本で、楽天イーグルス時代、田中将大投手が、30連勝と鉄人稲尾投手（西鉄ライオンズ当時）の1957年に記録した20連勝を超えた大記録を達成しています。この記録がどの位凄いかは、少し野球を知っている人であれば直ぐにわかります。野球に科学が入って分析技術が格段と高くなっていること、バッティングマシーンができたことで、バッターは、様々な投球に対するシュミレーションが長時間できることなど、稲尾投手の時代に比べて投手が不利になっているからです。あきらかに、マー君の方が記録だけでなく野球技術も含めて上手だと思います。その後、ニューヨークヤンキースに入団。以前から、不安があった肘の手術などを乗り越えてのオープン戦先発です。是非、今年こそ、大活躍のマー君を見たいと思います。（全く関係ありませんが、私も子供の頃からずっと、マー君と言われてきましたので親しみを感じます）

さて、数年前、「キミたちは、なぜ、間違った会社選びに必死になるのか」のプロローグに以下の内容を書きました。

２００７年２人の夏の甲子園の高校球児が話題になりました。
一人は、上品で甘いマスクのハンカチ王子こと斎藤祐樹。もう一人は、野性味溢れる気迫のピッチングのマー君こと田中将大です。
　その後、甲子園で活躍した二人は、異なる意志決定をしたことは、皆さんご存知の通りです。田中は、ドラフト会議で一番くじを当てた楽天（当時、野村雅也監督）に入団しました。一方、斎藤は、早稲田大学に推薦入学で進学しました。そして、現在は、斉藤も早稲田大学を無事卒業し、日本ハムファイターズに入団し、楽天の田中と同じパリーグで活躍しています。もし、あなたが、高校三年生で、二人と同じ立場であれば、プロ野球に入りましたか？それとも、早稲田大学に進学したのでしょうか？もちろん、一方の意志決定が正しくて、もう一方の意志決定が正しくないといったことは一切ありません。なぜなら、それぞれの意志決定には、当然、メリットとデメリットがあるからです。しかし、私個人的には、最終ゴールがプロ野球での活躍を目指すなら、間違いなく田中と同じように、プロ野球の道を選んだ方がいいのではないかと思います。なぜか、プロ野球で活躍するには、大学はあきらかに回り道だからです。～中略～
三つ目は、根拠がない安定志向です。大きな会社に入れば・・あるいは、何かあったとしても大学を出ていればといった考え方は、多くの場合、かえって不安定になる要素を含んでいると思います。プロ野球だけでなく、何億円の年棒を稼いでいたスポーツ選手が引退後、生活苦になったり、極端なケースは、生活のために犯罪に手を染めたといったニュースが流れますので、ハンカチ王子斉藤祐樹が、早稲田大学に進学した気持ちをわからないわけではありません。しかし、結果は、予想通りでした。

斉藤投手は、マー君に比べて体格的にも恵まれていないし、一軍では通用しない。やがて、引退すると思っていました。体格に恵まれなくても大成した選手はたくさんいますが、当時、タレントの深田恭子や小林麻耶アナウンサーとの交際といった話まで出ると、プロ野球で長くやれるはずがない。プロの中で必死にやっている選手がいる中で、プロ野球を甘く見過ぎていると思っていました。

当たり前ですが、大学を出れば・・大きな会社に入ればと・・いった呪縛から逃れられないのが大半の学生やその親の浅い考え方です。その前提に立っているので、塾に通わせて幼稚園受験から始まる、まさに、ゴールがいい大学に入り、大きな会社に入るために、力を注ぐといった構図が変わらないのだと思います。

私は、教育は非常に重要で、自分に対する投資が一番確実で、一番配当が多いものだと思います。だから、勉強すること、経験することに時間もお金も惜しまないし、その時、直ぐにリターンがなくても必ず後でおつりがついて返ってくることを実感しています。勉強は、仕事に間接直接に必ず繋がるし、かつ、それよりも子供の時のように、新しいことがわかるのが楽しいからです。

田中将大と斉藤祐樹の明暗を見ても、キャリアと意思決定にあり方が重要です。

伊那食品工業の塚越会長は、

「成功した人は、皆、口をそろえたように運が良かったという。では、運が運が良かったという人はどういう人か？
リスクテーキングした人だと思う。リスクテーキングしない人には、運が良かった悪かったといったことはない」

と言われます。

勝負するときには、勝負する・・といった意識が重要です。

そして、どんな時に勝負するかですが、何を目的にするか？が判断基準になると思います。マー君は、野球が大好きで、プロ野球の選手となって活躍することを目的にしていたのに対して、斎藤投手は、引退後も含めた安定を、無意識に目的としていたのかもしれません。
結局、安定や収入を目的とすると、かえって不安定になるといったパラドックス(理論と想定される結論の間に齟齬があること)に陥るのではないかと思います。

もう一つ、マー君と斎藤祐樹の明暗を分けたのは、「やり抜く力」の差だと思います。

ダックワースの有名なプレゼンテーションは、周りを見ていると実感します。

 

 

感動の仏蘭西料理店「ル・クロ」ができた理由

カメさん日報です。

本日は、数年前から、時々、お伺いする大阪の感動の仏蘭西料理店「ル・クロ」と黒岩功社長をご紹介します。最近は、日本でいちばん大切にしたい会社5に掲載された天彦産業の望念会で昨年末にもお伺いしました。

「ル・クロ」の一号店は、絶対に飛び込み客が来ない路地裏のスタートした小さなお店で、奥さんと一緒にお腹に２人目のお子さんがいる中、背中に一人目のお子さんを背負って接客をしたという発祥店ですが、現在は、予約がなかなかとれない状況です。２号店は、１階～６階で階毎にコンセプトを変えた素敵なお店です。３号店は、リッツカールトン大阪をしのいでウエディング等で満足度NO１の少し大きなお店です。１号店～２号店席がなかなか取れませんので、３号店で食事をすることが多いのですが、いずれのお店も料理の美味しさは抜群です。さらに、ソースで私の名前の書かれたお皿、トイレの中にもあるウエルカムボード他、非常にきめ細かな接客も感動ものでした。

その秘密を黒岩さんにお聞きしましたので、共有化したいと思います。

鹿児島出身の黒岩さんは４８年前、遠洋漁業の船乗りのお父さんと、商売をやっていたお母さんとの間に生まれました。小さい時から、小児ゼンソクで学校が休みがち、学校を休むと勉強に遅れがちになりました。そして、無口で根暗、勉強ができなかった黒岩さんは、小学校に入った頃から、いわれのないイジメに合う毎日でした。家に帰ると、まだ小さな弟がいます。お父さんは遠洋漁業、お母さんは商売で家にいません。そのため、食事当番は必然的に黒岩さんの役割です。毎日、キャベツを切ったりして弟と自分の食事を作っていました。

小学校４年の時、家庭科の授業で料理をつくること時間があり、担当の先生が、「誰か、キャベツを切ってくれないか？」と言われた時があっとそうです。その際、普段、勉強が苦手で手を絶対に上げない黒岩さん一人だけが、元気よく手を上げました。そして、キャベツを切って見せると黒岩さんは、周りが驚くほどうまかったと言います。その日、たまたま授業参観の日で、お母さんが教室の後ろで見ていましたが顔を見ると涙を流しています。その時、絶対に料理人になって親孝行しようと思ったといいます。

１８歳で鹿児島を後にして、大阪のお店に勤めます。毎日毎日、先輩に怒られる日々でしたが、黒岩さんは嬉しくてたまらなかったです。なぜか・・・それは、小学校の頃のイジメられたいた時は理由がありませんですが、お店に勤めてからは、怒られる理由があったからです。怒られても怒られてもニコニコする黒岩さんを先輩も可愛く思うようになり、飲みにも良く連れて行っていだだけるようになったと言います。「他のヤツは、愚痴ばっかり言っているのに、黒岩は、いつもニコニコありがとうございますと言う。気持ち悪いけど、好きやで・・」と大阪弁で言われたことを今も黒岩さんは覚えていると言います。

そんな黒岩さんは、海外で自分の力を確かめたいと思うようになり、最初にスイスに一人修行の旅に出ました。スイスのレストランでしばらく働いた後、ミシュランの星が付く店で働きたいとフランスのパリに行きます。しかし、フランス語も片言の黒岩さんは、約１００軒程、雇ってほしいと周りましたがどこも雇ってくれません。もうダメか？と少し弱気になって、最後の一店、訪ねたお店の店員がオーナーがもうすぐ帰ってくるから待っていろ！と言われ、オーナーが戻ってきて面接しました。そして、いろいろと聞かれましたが、黒岩さんは、しっかりと受け答えができたと言います。フランス語が話せないのになぜか・・・それは、今まで、１００軒断わられて、聞かれることを何かがわかり、フランス語での受け答えがわかっていたからです。やっと憧れのミシュラン２☆で働くことができるようになり、黒岩さんは嬉しくてたまらないので、誰よりも朝早く店に出て、夜１２時過ぎまで働いたと言います。

さらに、黒岩さんは、ミシュランの３つ星で働きたいといった思いを強くします。そして、偶然にそのことを働いていたお店のオーナーに話すと、２☆のオーナーは、「クロ、本当に３☆で働いてみたいのか？」と言いました。「ハイ・・・」と黒岩さんが応えると、オーナーは直ぐに、受話器を取り電話を掛けて３☆オーナーに「自分のところで働いている日本人の料理人がお前のところで働きたいと言っているがどうか・・」連絡したのです。結果、黒岩さんは、フランスの３☆レストランで働くことになります。

「２☆レストランのオーナーの声掛けがあったからといって、そんな簡単に３☆レストランで働けるとは思えない？」と私が黒岩さん言うと、真実を教えてくれました。
「無休無給の条件で働いていた」と黒岩さんは言うのです。「では、どうやって生活していたのですか？」と聞くと、「土日に、日本料理店でアルバイトして食い繋いでいた」といった応えが返ってきました。黒岩さんは、３☆レストランでも、２☆レストラン同様に、月曜日～金曜日まで、店の誰よりも早く店に出て、誰よりも遅く店を出る生活をし、土日はアルバイト。そして、手持ち資金が尽き、フランスに渡って３年目に日本の大阪に返ってきて、帰国後に日本で知り合った奥さんと冒頭で紹介した小さな小さな１号店を始めたのです。そして、日本に帰ってきて１号店を初めて１５年、今年、夢が実現する日がついに訪れます。フランスにも出店することになったからです。

 

黒岩さんに限らず、起業して成功した経営者の経緯を聞いていると、腹の底から込み上げてくる思いがあります。これがなくて、売上だ利益だと言っていても長続きは決してしないと感じます。東京の青山に感動のレストランといわれる某店知人の紹介で食事に行ったり、どうせなら・・・取材も兼ねて多少無理してでも行きますが、私は、ル・クロが一番好きです。圧倒的に、料理、接客その他、上回っているにも関われず、お手頃な値段で、仏蘭西料理が好きでもホークの使い方が苦手な方向けにも用意された箸など、気軽に食事ができるだけでなく、本日、ご紹介した他にも、飲食店では珍しいと思いますが、全員、正社員です。そして、社員がル・クロを辞めても、また、帰ってくることからも、いかに、社員を大切にしているかがわかります。詳しくは、黒岩さんの著書に書かれていますし、また、マネジメントの観点で、カメさん日報にも書きたいと思います。